ピアノ練習日記:雑に弾くこと・丁寧に弾くこと
ピアノの練習をしているとき、どうしても「早く通して弾けるようになりたい!」
「テンポを上げてスラスラ弾きたい!」と思うことがよくありますよね?
子どもでも、大人でも、その気持ちは同じだと思います。
でもね、ただただ指だけ動かして、慣れるように弾いていると、だんだん「雑」になっていきます。
雑に弾いていると、指は動くようになっても、本当にきれいな音は出てきません。
「最後まで止まらずに弾けた!」と安心していませんか?
間違った鍵盤を押していないのに、先生が「じゃあもう一度」「この曲はどんな感じで弾きたいの?」と言ったり。
または「何しているところかな?のんびり遊んでいるのかな?急いで帰るところかな?」
「走っているのなら、その様子が伝わるように弾いてみようよ。」と言われたり。
たとえば
・音の粒がばらばらになったり
・リズムが少しずつずれていたり
・強弱がつかなくて平らに聴こえたり
・ゆっくり過ぎて形がよくわからなかったり
そういうことに気づかないまま、ただただ「3回弾いた」「5回練習した」となっていませんか?
「できたー!」って満足して終わってしまう。
「まあ弾けたからいいか」と片づけてしまう。
忙しい1日の中でピアノの練習時間をせっかく取ったのに、とてももったいないです。
それでは、「丁寧」に弾くってどんなこと?
丁寧に弾くって、特別むずかしいことではありません。
大事なことは
『自分の耳で音をちゃんと聴くこと』
・「この音きれいかな?」と確かめる
・間違った鍵盤を触っていないかゆっくり弾いてみる
・フレーズを「歌うように」つなげてみる
・手や腕に力が入りすぎていないか感じてみる
そんなふうに小さなことを気にかけるだけで、音が変わってくることに気づきます。
子どもの練習なら…
小さな子がピアノを練習するとき、どうしても「雑」に走りがちです。
だからお家の人が「この音、すごくきれいだったね!」と一緒に喜んであげてください。
「ウキウキするような元気な曲だね!なんていう曲なの?」と一緒に楽しんでください。
子どもは「もっと丁寧に弾いてみたいな」「次も素敵に表現しよう」と思えます。
「5回弾かなくちゃ終わっちゃダメ!」「今日は何回弾いたの?」と言わないでください。
「もう一回、ゆっくりやってみようか」
そんな声かけが、とても大切です。
大人の練習なら…
多くの大人の場合は、時間がなくて「今日は一通り弾けたからOK」と終えがち。
でも、本当に楽しいのは、短い時間でも丁寧に音を味わう練習です。
10分だけでいいので
・ ゆっくりの(←ココ大事!)テンポで
・音の響きを耳で確かめながら
・自分の体の感覚に気を向けて
練習しましょう。満足感が違います。
【今日の気づき】
「雑」と「丁寧」のちがいは、ただの弾き方のちがいじゃなくて
『心の持ち方』なんだと思います。
雑に弾けばただ慣れるだけ。
丁寧に弾けば、音楽そのものが育っていきます。
だから今日も、ちょっとだけ立ち止まって、耳をすませてみましょう。
それがピアノの上達への一番の近道だから。