発表会を終えて:ステージへの道のりと、これからの成長

 2/11㊗︎、今年は藤沢・Fプレイスのホールを借りて、無事に発表会を終えることができました。

ご来場いただいたご家族の皆様、そして温かい拍手で会場を包んでくださった皆様、

本当にありがとうございました。




舞台裏の「準備」という仕事

演奏会は、当日を迎えるまでに非常に多くのステップを積み重ねていきます。

会場の確保に始まり、発表会ならば、一人ひとりの個性に合わせた選曲、プログラムの作成、

ホールスタッフさんとの打ち合わせ、そして分刻みのタイムスケジュールの構築……。

当教室の発表会も、最初は小さな規模から始まりましたが、

今では子どもの部・大人の部という2部構成という大きな形へと成長しました。

規模が大きくなるにつれ、私自身が担う役割の重みを再認識するとともに、

この大きなステージを生徒さんたちと一緒に作り上げられることに、確かな手応えを感じています。




指導者にとって準備の時間は確かにタフなものではありますが、

それもすべては「当日のあの瞬間」を最高のものにするための大切なピースだと考えています。




演奏以上に大切な「過程」の積み重ね

発表会は、もちろん当日がクライマックスです。

しかし、私が最も大切にしているのは、実はその本番に向けた「過程」にあります。




- 目標に向けて、自分とどう向き合ってきたか

- 練習が思うようにいかない日をどう乗り越えたか

- 「自分の力」を信じるために、どれだけの準備をしたか




この数ヶ月間、生徒さんたちが過ごしてきた日々の集大成が、

あのステージの一音一音に込められていました。 本番で堂々と椅子に座るまでの道のりこそが、

何物にも代えがたい成長の記録です。




「ホールのピアノ」と仲良くなるために

ピアノの発表会ならではの難しさは、普段弾き慣れている楽器ではなく、

ホールの大きなピアノを弾きこなさなければならない点にあります。

「自分の楽器ではないピアノと、いかに仲良くなるか」。

ホールの響きを味わい、その場限りの音を楽しむ。この感覚を掴んでもらうことこそが、

指導者としての腕の見せ所でもあります。

本番後、清々しい表情で戻ってくる生徒さんたちの姿を見て、

音楽を通じた対話がしっかりできていたのだなと、私自身も深く教えられるものがありました。

ここで当日演奏した一人一人のことを記しておきます。




〜〜子どもの部〜〜

♪Y・Sちゃん

今回最年少での参加となりました。

初めこそはにかんだ様子でレッスン室に入ってきていたYちゃんでしたが、

すっかり慣れて元気にピアノを弾いてくれます。

レッスンでは両手を交互に、リハでは右手のみ、そして本番では左手で演奏するという

離れ技を披露してくれました。




♪H・Tちゃん

前回発表会は出演を見送ったHちゃん。本番が近づくにつれ少しだけナーバスに。

でも、きっちり練習してあるし、色々表現できているし、何も心配することなどないよ!

というほど仕上げました。

当日の堂々とした姿に、大物感を感じさせました。

連弾も川の流れを意識して、しっかり頑張りました。




♪K・Tちゃん

2度目の出演なので、余裕を感じさせる様子と演奏でしたね。

譜読みも早く仕上げも早く、終わり数回のレッスンでは、表現を濃くしていきました。

全くものおじしないので、ステージマナーも演奏も何も心配しませんでした。

綺麗な芯のある音で弾けました。

お兄ちゃんとの連弾は、はじめはなかなか難しかったけれど、本番は息が合ってピッタリでした。




♪K・Mちゃん

初参加でした。前日のレッスンは体調不良でお休みだったので、顔をみたときはホッとしました。

難しいリズムもたくさんあったけれど、3拍子に乗ってすてきなワルツを2曲、

まるで目の前に登場人物がいるかのように演奏できました。

連弾2曲はやや難しめだったけれど、すぐにマスターして楽しく演奏できました。




♪A・Nちゃん

2度めの参加の今年は、小学生になってすっかりお姉さんになり、一生懸命練習できました。

Aちゃんのひたむきさというか、真摯な態度に、いつも感心します。

曲に合わせた素敵なヘアスタイル、お洋服も髪も星が瞬いて、とてもよかった。

背景にあるものを大事にすること、ステキな演奏には必要です。




♪M・Kくん

3度めの参加Mくんは、暗譜が心配になり楽譜を見ながらの本番になりましたが、

実際のところ楽譜は見ていませんでしたね。すっかり覚えていたのだろうと思いました。

リズムが難しく苦戦しましたが、本番ではそんなことは微塵も感じさせませんでした。

お母様との連弾も、リーダーシップをとって立派な演奏でした。




♪S・Hちゃん

参加2度め。当日は白いゴージャスなドレスで登場でした。

フレーズが途切れないように、レガートで弾くのが難しく、苦心しましたが、

星がキラキラしているかのような演奏でした。

ピンチにも自分で対処できて立派でした。




♪A・Uちゃん

3度めの参加のAちゃん。

練習がだんだん少なくなって、なかなか弾けるようにならず・・・のところからの大逆転でした。

2曲それぞれの性格を表すこともたくさん話し合い、あれこれこれ工夫を重ねました。

そして本番では見事に表現できました。

お母様との連弾も、3度めともなれば余裕があり、安心して聴けました。




♪K・Oちゃん

当教室の発表会は初参加でしたが、すでに本番は何度もこなしており、余裕のステージでした。

練習の過程では、いろいろ苦労は多かったと思います。でも、いつも全力投球で、

良くなろうという気持ちが強く、できなかったことをクリアしていけます。

連弾も少し難しかったと思いますが、やっぱりクリアして、楽しく弾けました。




♪H・Yくん

レッスン後は我が家の庭で虫探しをしていたYくん、いつの間にか大きくなって、

気づけばずいぶん複雑で、難しい曲を弾けるようになりました。

本番ギリギリまで、あれこれ注文をつけられても、一生懸命練習できました。

お母様との連弾では、セカンドパートをリードする余裕を見せました。




♪M・Tちゃん

〈金の星〉というタイトルに合わせたキラッキラな音づくりに時間をかけました。

それなりに曲が長くなってきて、似たような形式で少しだけ違って・・・のような難しさがあったのに、

しっかり弾きました。ゴールドのドレスも金の星に合っていましたね!

連弾は、セカンドと手が重なるなんていう難曲もさらりと演奏しました。




♪A・Tくん

2度めの参加。小学生になりました。1年前と比べてこれだけの進歩!

タランテラという題名の曲はみんなが好きだけれど、大体が速いし難しい。

それでもAくんは苦労しながらも「タランチュラが〜!ぎゃあ!」なんて言いながら、頑張りました。

プロコフィエフの風変わりな和声にも負けず、妹のKちゃんとの連弾もあり・・大活躍でした。




♪Y・Oくん

2度めの参加。前述のAくんと同じく小学生になり、全体写真撮影の時に、

異なる学校に通うふたりがおしゃべりしている姿は、とても微笑ましかった。

Yくんも1年での成長目覚ましく、難しい2曲と難しい連弾に挑戦しました。

できないと悔しいから、次のレッスンにはできるようにしてくるガッツがあります。

本番は堂々と演奏していましたね。ピアノが好きが伝わってきました。




♪Y・Nさん

まだ6年生なんですが・・・他の保護者の方々は中学生以上だと思われたかも。

今回当教室での参加は初でした。

ギリギリまで粘り、当日までにきちんと仕上げてきました。

Yちゃんの雰囲気によく合ったゴージャスな曲を選びましたが、とても素敵でしたよね。

まもなく中学生ですが、多忙ななか、本当によく練習しました。




♪S・Kくん

去年はトルコ行進曲を弾いて、お母様方の話題をさらったSくんでした。

今年は中学生になり忙しく、まず大好きなショパンを選びました。

大変だったけれど、もう1曲ひきたくなりシューベルトを足しました。

忙しくても、レッスンするたびにどんどん良くなっていきました。

本番で納得いく演奏ができなかったので、成長した証拠です。




〜〜大人の部〜〜

♪N・Iさん

いつも穏やかな笑顔のNさんには、今回は少しかわった曲を選びました。

J・フィールドのノクターンはショパンのお手本になったと言われる曲。

もう一曲は夫ロベルトではなく、妻クララ・シューマン。

特にクララの方はドイツ・ロマン派の重厚さのある曲で、とても苦労されていたのに、

本番はさらりと弾かれて驚きました。




♪A・Kさん

Aさんが弾いた夫ロベルト・シューマンの曲は、私の特別な思い入れのある曲で、

素朴にでも美しく弾いてくださいました。ご本人が一番わかっていることと思いますが、

人前で演奏することによる緊張感をいかにして乗り越えるか・・・

今回、しっかり乗り越えてしまいました。すごいです。

息子のMくんは、その背中をちゃんと見ているはず。




♪K・Nさん

遠くから車で通ってくださっているNさん親子、麗しい見た目と相まって連弾も素敵でした。

Kさんも人前でなんて・・・と避けていらっしゃったのに、まず出ることにして関門クリア。

発表会が近くなってきて怖気付いたけれど出演をキャンセルしなかったので第2関門クリア。

本番は堂々と演奏したので、最終関門クリアです。

多忙な社会人が練習時間を作って、人前に出るってすごいことなんですよ。




♪Y・Iさん

スカルラッティにハマり、急・緩・急と3曲のソナタを並べてソナタ形式のようなプログラムを組みました。

乾いた軽い音を出せるYさんなので、とても合っていましたね。

直前で体調不良に見舞われましたが復活。

Yさんのピアノを楽しみに来てくださるご友人がたくさんいらっしゃって、

ピアノ・ライフを楽しんでいるの素敵です。




♪Y・Mさん

Mさんによく似合っている優しい曲を選びました。

ロベルト・シューマンが書いたのでパパ目線かもしれませんが、お母さんの眼差しで演奏していただきました。

Mさんもお仕事、プライベートと忙しく充実の毎日なので、

練習時間の確保も大変なのに参加してくださいました。

サティの緩慢な感じも雰囲気ぴったりでした。




♪C・Mさん

超多忙なCさんですが、2曲のショパンの解釈は、ほとんどお一人で研究し、分析して表現につなげました。

その表現も、ご本人なりのことばがあって、それに沿ったイメージで弾かれました。

長くバッハで苦労したせいか、ショパンの複雑な和声がすんなりと弾けてしまって、

表現することに時間をかけられたので、本番は余裕すら感じられました。




♪Y・Iさん

Yさん、「絶対に人前での演奏はイヤ」をいつの間にか卒業していました。

来ていただいている大人の生徒さんの中、誰よりも練習時間が多く、指摘された事は忘れないので

次のレッスンにはきっちり修正してあります。

本番の心地の良い「月の光」にうっとりしていた方も多かったのではないでしょうか。




♪M・Yさん

まじめで努力家で、ピアノが大好きで上達したいという気持ちが誰よりも強いMさんです。

レッスンではしばしば解釈についての議論が長くなり、お互いの着地点を見つけるために、

さらに長くなります。それだけMさんが日々研究しているということです。

体の使い方も変わり、柔らかい音で美しく演奏しました。




♪A・Hさん

「ショパンのバラードを弾きたい」という熱意から始めた今回の発表。

必ずしも納得いかなかったかもしれません。

それでも、満足してしまったらプログレスが止まってしまいます。

今回の挑戦は、何よりもAさんの

「弾きたい」から始まったもの。

やりたい気持ちを表せたこと、果敢にチャレンジしたことは、次回につながる成果です。




〜〜番外〜〜

♪ゲスト・S・Iくん

長くソルフェージュのレッスンで鍛え、たまにピアノのレッスンもしていたSくんに

ゲスト出演してもらいました。

今回S君に出演してもらったのは、何よりも在籍の生徒さんに刺激になるかなと考えたこと。

これまでに挫折もたくさん経験しながら、若く発展途上で、

ピアノが好きで好きでたまらないSくんが演奏する音を聴いて欲しかったのでした。

第1部はリハーサルなし、第2部はリハーサルからだいぶ時間を空けての演奏でしたが、

落ち着いた立派な演奏を聴かせてくれました。




講師演奏に込める「背中」

また、私自身も講師演奏としてステージに立ちました。

これは単なる披露の場ではなく、生徒さんたちに対して「本番で演奏するとはどういうことか」を、

言葉ではなく背中で伝えるための大切な時間だと考えています。

発表会という一つの大きな節目を終え、

生徒さんたちはまた新しい課題や目標を見つけ始めていることでしょう。

この経験で得た自信を、これからの日々のレッスンにどう繋げていけるか。

また次回のレッスンから、生徒の皆さんと向き合えることを楽しみにしています。

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